債権の短期消滅時効

債権の短期消滅時効に注意!

「代金を支払え」という請求をしたものの、相手から「その代金支払の義務(債務)は時効により消滅しているから支払いません。」と正当に主張されてしまったら、債権回収をあきらめなければなりません。このように、債権を持っている人が、一定期間その権利を行使(支払いを請求する等)しなかったときに、その権利が消滅してしまう制度を、「消滅時効」と言っています。

なぜこういう制度があるかというと、ひとつは、「せっかく持っている権利を行使しない人のことまで、法律は助けません。」という考えに基づくもの、もうひとつは、「長期間経過することによって、権利を証明することがだんだん困難になり、古い過去をいまさら蒸し返すことで、社会や経済活動が混乱したりすることを避けましょう。」という考えに基づくものです。

そこで、私たちは、せめて自分たちの事業に関する債権の時効はどのくらいなのかを頭に入れておくことが必要です。ちなみに、時効期間というのは、民法という法律にその大原則が決められているものの、それ以外にもいろんな法律に、ばらばらに定められているので、すべてを知っておくことは不要です。(実際、どれくらい時効に関する条文があるのかを知っている人はいないと思われます…。)

以下に、代表的な債権の消滅時効期間を記載しておきます。

1年

・ 宿泊代金、飲食代金、入場料などの消費行動の代価にあたる代金
・ 貸衣装などの短期のモノの賃貸料
・ 大工、植木屋、左官など、個人で単一業務のみを請け負って肉体労働を提供する人への代金
 (労働基準法上の賃金に該当する場合は2年)
・ タクシー代

2年

・ 商品の小売代金
・ 月謝や先生への謝礼金
・ 弁護士、公証人の代金
・ 理美容院、洋裁などの代金
・ 家庭教師代、塾の授業料などの代金

3年

・ 工事の請負代金
・ 診療報酬、薬剤師の調剤代金

5年

商事債権

消滅時効を止めたい!

経過していく時効期間を止める方法はあるのでしょうか?
法律では、3つの方法を用意しています。

承認

支払う側が、その債務の存在を認めている場合は、「承認」といって、時効は中断しません。相手が払う意思があったり、少なくとも債務のことをわかっている場合にまで、時効の完成を認める理由はないからです。承認は、認めていることが判る書面だけでなく、支払いをした事実なども含まれます。

請求

これは、単に請求書を送るとかではダメで、いわゆる裁判上の請求をすることを指します。裁判上の請求は、通常訴訟だけでなく、小額訴訟や支払督促、調停手続きなども該当します。

催告

すぐに裁判などを起こす準備ができないなどという場合に、時効の進行を一時的にストップする方法が「催告」です。これはいわゆる請求書を送るなどの措置を指します。

しかし、あくまでも一時的にストップさせるだけで、そのストップ期間は6か月間と決まっています。ですから、その6か月の間に、相手方と支払いについての交渉をしたり、訴訟提起をするなどして、より具体的なアクションを起こす必要があります。なお、このような利用方法としての催告は、時効の完成間際になされることも多いものです。

したがって、時効が中断できていることをはっきりさせるために、内容証明郵便(配達証明付)で催告をすることが大事です。

 

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