債権回収業務について

私たちは商品やサービスを提供し、それに対する対価を受け取ります。この連続性によって事業は成り立つわけですが、決済方法の多様化や、サービスの提供内容の性質上、サービス提供後に対価を請求するというケースがあります。このような場合、集客の間口は広がりますが、同時に、いわゆる滞納者が一定量発生するリスクを避けることができません。
また、離婚に伴うお子さんの養育費を取り決めていた場合、夫が養育費の支払いをないがしろにするようなケースは、本当によくあります。

売買代金、飲食代金、診療報酬、養育費などの、一回の代金が数千円~数万円の金額を督促するという行為について、「もしかしたらお金に困っているのかな」「今はちょっと忘れているだけかもしれない」というように、請求することを「がつがつしていて」「うしろめたく」感じてしまい、督促に踏み切れないこともあろうかと思います。そして、そうこうしているうちに請求するタイミングを失ったり、診療報酬やおけいこごとの月謝など、対価の支払いがないにもかかわらず継続的にサービスは提供せざるを得ないものについては、督促をためらっている間に、滞納債権の額がふくらんでしまうこともあります。

実は、債権回収について注意すべきことは、この債権回収を放置し、債権額が増加していくという状況そのものです。

感覚的におわかりいただけると思いますが、人は、商品を買ったり、サービス受けたりした後に時間が経過すればするほど、なぜだか、支払う気持ちが薄れてくるものです。それは、サービスを受けたときの実感がだんだん薄くなり、あたかも、何も得ていないのに、代金だけ支払うような気持ちが芽生えてきてしまうからです。
また、債権額が大きくなり、数十万円単位になってくると、一般人の感覚としてかなり大きな額であることから、「これはとうてい支払えない」という結論に達してしまい、被害意識を持たれたり、連絡を絶たれたりするなど、前向きのコミュニケーションが取れなくなってしまうことになります。

ですから、債権回収のスタンスとしては、第一に、迅速に行動を起こすことが求められるというわけです。

ところで、大企業であって債権回収部署などが確立しているようなところでは、きわめてビジネスライクに債権回収事務を行っても企業イメージが悪くなるとかそういう心配をしなくてもいいかもしれませんが、地域に密着し、真摯に事業・ご商売に取り組んでいる方々にとって、同じ地域のお客様に対し、血も涙もない督促を行うわけにはいきません。
確かに、代金を支払ってくれない人が悪いのですから、そこに同情は不要かもしれませんが、相手の方の「支払えない事情」はいろいろですから、それに応じて適切な対応をしていく必要があるでしょう。
しかし、同時に、私たちも対価をいただいて初めて事業が成り立つわけですから、真っ当なサービスを提供したのであれば、堂々とそれらを回収しなければ、事業も成り立たず、また、他のきちんと支払ってくださっているお客様に対しても失礼です。

したがって、地域に密着して事業や商売を行っている方々の債権回収業務は、「迅速に」しかし「相手の方の事情に応じて適切な方法を選択して」行う必要があります。相手の方の事情を尊重し、事業者とお客様がWIN―WINの関係となれるような債権回収の道を選択していきましょう。

 

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