自己破産手続きの流れ

1 債務状況のヒアリングと債務整理の方針に関する説明(面談)

債務整理に関するご相談は、民事法律扶助協会の相談料援助システムを使いますので、ご相談者の方の相談料はかかりません。
ご相談の際は、債権者名と、各債権者に対しそれぞれ「いつから借りているか」「現在の債務の額はいくらか」「最後の返済はいつか」ということを私がお聞きしますので、メモ書きでかまいませんのでご用意ください。それから、各債権者に返済をしたことがわかるATMの用紙や、契約書類、債権者から届いた請求書や督促書面などもご用意ください。

これらの負債の状況と、生活の収支、財産の有無等を聞かせていただいたうえで、債務整理の方法の説明と、ご相談者の方がどういった方針で債務整理を行うとよいかという方向性のご説明をします。また、あわせて、それら債務整理業務にかかる手続費用や期間なども説明をします。

なお、大事なポイントですが、この最初のご相談時点で、債務整理の方針(例えば自己破産をすべきか、任意整理でいくか、個人再生の利用をすべきか)がはっきりご提示できる方と、債務整理を受任後、各債権者からの債権届や取引明細を確認したうえで、具体的な方針が決まる方と、ふたつの流れが考えられます。ご相談者の方がどちらの流れでいきそうか…ということについても、最初のご相談の際に説明をします。

ご相談の際は、かなり細かいところまでお聞きすることになりますし、こちらからのご説明もたくさんありますので、ご相談時は1時間半~2時間くらいをみていただきますようお願いします。

☆最初のご相談のときに、債務整理をするかどうか決めなくてかまいません。と、いうよりも、債務整理に関してはすぐに受任することは基本的にいたしません。ご相談の際は、たくさんのことを説明しますので、いちどご自宅に帰り、じっくり考えて、債務整理をするかどうかを決めてください。

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2 受任通知の送付

まずは、各債権者に対し、「受任通知」を送付します。受任通知の役割は、大きく2つあり、1つは、債権調査…すなわち、その方の金銭消費貸借契約の内容や、過去の取引の明細などを債権者から送ってもらい、本当の債務の額の確定するための調査…をするためです。

もう1つは、今後の債務整理のために、とりあえず、現時点で継続している返済をいったんストップすること、債権者からの請求もストップしてくださいという請求をするためです。この受任通知を送ることで、とりあえず支払いが保留状態となるので、ここで一息つくことができます。ただし、支払いは保留されているだけです。

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3 債権調査

早ければ数日、長ければ2~3か月で、各債権者から、過去の取引を証明する書類が返送されてきます。これを元に、債務整理をしなければならない額は正味いくらなのかということを確認します。
具体的に言うと、例えば、消費者金融やクレジットカード会社からのキャッシング等で、過去、法定利息を超えて借入れと返済を繰り返している取引があれば、利息制限法の上限利率で再計算をして、払いすぎた利息がないかを確認します。この利息制限法超えの契約があるものについては、思っている債務の額よりも少なくなることがあります。

なお、ショッピングのクレジット払いや、低利率の貸付については、おおむね、依頼者の方が把握している金額とほぼ同じです。利息の払いすぎなどはありません。

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4 債務整理方針の決定

各債権者の債権調査が終了したら、残債務の総額が出ます。これをもとに依頼者の方と協議し、自己破産申立て、任意整理など債務整理の方針を最終決定します。債務整理の方針の決定は、生活の収支状況とも大きく関わります。いくら、「破産はしたくない」と思っていても、家計の収支状況をみて、返済する余力がどうしても出てこないときは、任意整理しようがないからです。

このようなことは、最初のご相談の際にも説明をします。また、このタイミングのような、債務の総額がわかってきた時点で、説明をしなければならないところはしっかり説明をしていきます。わからないときは、何度でも聞いてください。

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5 自己破産申立ての準備

負債の状況から、自己破産申立てを選択した場合は、さっそく申立ての準備に入ります。申立てまでは、よほど急ぐという特別の事情がない限り、約1か月半~2か月をみています。(なお、最初のご相談の時点で、自己破産申立てが決定している場合には、債権調査と同時進行で進めていきます。)

すぐに準備が整わないのは、申立てのために必要な書類のなかで、期間を要するものがあるからです。例えば、申立て時には、直近1か月の家計表を添付します。それから、住民票や所得証明書など、役場で取得する証明書などは、3か月内のものを添付しなければなりません。

他にもいくつかありますが、これら書類を用意していただき、内容を確認したうえで、申立てをしますので、依頼者の方の準備期間→預かり→書類作成→不足分の依頼→預かり…というやりとりをしていると、だいたい2か月くらいかかっているのが平均だからです。

もちろん、早めに用意していただいた場合は、こちらも早めの準備ができますので、申立てまでの期間は短縮されます。
ちなみに、破産申立ての方針決定をしたら、債権者に方針決定の通知を出しますので、返済はストップしたままです。ご安心ください。

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6 申立書の提出

依頼者の方の住所地を管轄する地方裁判所に、私のほうで申立て書類を持ち込みます。
そして、例えば福岡地方裁判所では、通常、申し立てた日の翌日に、申立てを受理したことの証明書が発行されますので、受理証明書が出たら、予納金11000円を裁判所に納付します。

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7 裁判所にて申立書の検討

裁判所は申立てを受理した後、担当の書記官がつき、申立書の検討をします。検討のなかで、足りない書類や、もっと説明が欲しい部分などをピックアップして、私たちに連絡してきますので、その連絡に基づいて、足りない書類を依頼者の方に集めてもらったり、上申書を作成したりして補充していきます。

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8 裁判所にて審問(※福岡地方裁判所では、ない場合も多い。)

申立書の内容を確認し、裁判官が直接話を聞きたいというときに、審問が入ります。審問が入るのは、ほとんどが「免責を許可できるかどうか」について疑念がある場合です。裁判所としては、免責許可をするということは、債務を支払わなくてよいという決定を出すことなわけですから、免責不許可事由に該当しそうなときは、慎重に調査します。

しかし、ここで大事なことは、免責不許可事由があるからといって、それをことさら隠したりすることは決していい方向にならないということです。免責不許可事由があっても、それには理由があったことを伝え、もう二度と多重債務状態になりたくないという強い決心を伝えることが大事です。裁判所はいじわるをしているわけではなく、生活再建のために手続きをするのです。

ご相談時点で、免責不許可事由がある場合の、破産申立ての際のデメリットも必ず説明をします。その説明を聞かれたうえで、申立てを選択していただいた場合、全力で手続きをお手伝いします。

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9 破産手続開始(同時廃止)

審問がない場合は前記7の後に、審問が入った場合はその後、裁判所は破産手続開始決定を出します。

「ここでようやく開始なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は破産手続きというのは、いったいどの部分を指すかというと、「破産管財人を選任し、債務者の持っている財産をお金に換えて、債権者に分配する」という手続きのところを指すのです。ですから、申立書のチェックや審問は、これら換価・配当手続きをするための準備期間でしかないのです。

しかし、一般的な方は、ほとんど、この換価できる財産を持っていません。したがって、手続きはこの換価配当手続きというメインイベントが省略されますので、こういうときは、「開始決定」とともに「廃止決定」も出されます。これが「同時廃止(略して「同廃」)です。

福岡地方裁判所では、今のところ、財産の総額が50万円以上の場合など一定の要件を満たすときに、破産管財人を選任します。管財人が選任される案件かどうかについても、ご相談時や手続き準備中にしっかり説明をします。管財事件になる場合は、管財人への費用も発生しますので、そのあたりも見通しを説明します。

管財事件になってしまった場合は、管財費用(21万円~)を裁判所に予納することで、手続きが前に進みます。管財人がつくと、郵便物などが管財人の事務所へ行くことになります。管財事件となった場合は、財産の換価時期にもよりますが、半年~10か月くらいはかかることになります。

同時廃止決定が出た場合は、後は、各債権者が異議を述べる期間が2か月程度用意されているので、その異議期間が経過するのを待ちます。基本的に、普通の債権者であれば、異議を述べることはありません。

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10 同時廃止の場合の、免責許可決定(破産手続きの終了)

債権者の異議申述期間が経過したら、いよいよ免責許可決定を待つことになります。晴れて免責許可決定が出れば、あなたはもう「破産者でもなんでもない人」です!

免責許可決定書には、一緒に、裁判所からのお手紙もついています。これには、もう二度とこのようなことを繰り返さないで、生活再建をしていってくださいよ」というようなメッセージが含まれています。私ももちろん同じ気持ちです。あなたももちろん同じですね!!手続きが終わると、皆さん本当にほっとしたお顔をされます。おつかれさまでした!

 

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