【ひとくちメモ】遺産としてカウント?特別受益の存在。

2016-05-11

相続にともなう遺産分割の方法について、ご相談を受けました。

ご相談のなかで、「遺産」とは果たしてどこまでの財産を指すのか、というような疑問がありました。

民法882条に、「相続は、死亡によつて開始する。」とあり、896条に、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。但し、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」とありますので、

原則は、被相続人の死亡時に、被相続人が有していた財産を、相続財産とします。

しかし、いくつかの例外があり、そのひとつが「特別受益」にあたる財産です。

特別受益とは、これも民法903条にあるものですが、簡単に言うと、相続人が、被相続人から、「遺贈を受けた」or「被相続人の生前に婚姻・養子縁組のため・生計の資本として贈与を受けた」という場合のその利益のことを指します。

そして、特別受益があった場合は、死亡時の財産に、その特別受益の額を足して(これを「持ち戻す」などという表現をすることがあります)から、相続人全員の法定相続分として計算した額が、個々が主張しうるベースの相続分となるわけです。

そして、特別受益者については、ベースの相続分と特別受益額を見比べて、特別受益額のほうが大きければ、主張しづらくなるというようなしくみです。

もちろん、皆で協議をされるなかで、それはそれとして、特別受益を考慮した相続分と違った内容にすることは問題ありません。

特別受益の主張は、遺産分割協議について相続人のみなさんの意見が食い違うときに、出てくることが多いように思います。

補足しますと、特別受益の額等の事情は、昔々の話になることも多いためその証明をすることが難しいことも、現実問題としてあります。

そして、特別受益の問題が出てきますと、先に述べたように証拠が少なかったりするという現実もあり、内容を巡り協議も紛糾することがありますので、家庭裁判所の調停手続きを利用される可能性も高くなったりします。

ですが、家裁に持ち込むというのは、当事者同士が裁判所で決着をつけるという図式になり、将来の親族関係に大きな溝を掘ることになる場合も多いものです。

なので、少々偉そうな言い方になってしまって申し訳ないのですが、私のような立場の人間(相続のご相談などを多くお聞きする立場)としてお伝えしたいことは、

やはり、後の代にそういった遺恨を残さないためにも、協議する際は、少し相手の立場に立ってみて、場合によっては譲歩したりする気持ちも持って協議に臨まれることが、そのご一家の未来のためにはよいのではないかなと思うのです…ということです。

 

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