【ひとくちメモ】登記簿上の氏名変更、すべきかどうか?

2016-03-26

数年前に氏の変更登記を承ったお客様からお電話をいただき、姓が変わったので、再度変更登記をというお話しをいただきました。

が、今回は、「しなくてよいような気がします」とお伝えし、お客様もご納得されたように思いました。

さて、登記簿上の住所氏名が変わったときに、必ず変更登記をしなければならないかというと、そんな法律はありません。

司法書士がする登記を、「権利の登記」というのですが、権利の登記は、第三者に対して「自分はこういう権利を持っている」ということを主張することを容易にするためのものですから、登記するかどうかは当事者におまかせ(任意)というわけです。(なお、表題部の登記については、原則登記義務があります)

そして、当事者が、例えばこの不動産は自分のものであるという、所有権登記を入れていたとして、その方の氏名が変わったからといって、当事者その人の中身が変わるわけではないので、権利関係には何らの影響を与えません。

しかし、例えば、その持っている所有権を第三者に売るとかいう場合、登記申請の際に、印鑑証明書を添付するのですが、この印鑑証明書の住所氏名と、登記簿上の住所氏名が異なるときは、住所や氏名の変更登記を入れなければ、原則、売買登記はできません。(例外もありますが)

逆に言いますと、持っている所有権を売るとか贈与するとか、所有権に担保設定をするとか、そういうことでもない限り、あえて住所や氏名の変更登記を入れるメリットはないと言えます。

もちろん、転勤などでたびたび住所が移転されていたり、本籍地を変更したりする場合は、登記簿上の住所から、現時点の住所につなげるための住民票や附票などが揃わないこともありますが、揃わないからといって登記がなんもできなくなるということはないわけで、別途書類が必要になるというだけのことです。

もちろん、変更登記をされること自体は、悪いことではありませんし、するかしないかということであれば、したほうがいいのですが、

私としては、「なぜ住所変更登記をしたいのか」という部分をお尋ねし、お客様が変えたいとおっしゃられる理由の部分と、お客様の将来のライフスタイルや親族関係等をお伺いし、その結果、したほうがお気持ちがすっきりするとか、したほうがどうもよさそうだと思う場合は、理由とともにそのようにお伝えし、しなくてもよいのではないかなと思えば、そのことを理由をつけてご説明することとしています。

今回のお客様は、「相続のときに、子どもが困ってはいけないと思って」というのが理由のひとつでしたが、相続においても、もちろん住所氏名をつなげる書類は必要ですが、これをしてなかったからといって、残されたお子さんが、「もう!お母さんが変更登記してなかったから大変だった!!」と激怒するほどのことにはならないと思われましたので、登記は不要では?とおつたえしました。

もちろん、それでも、「やってください!」といってくださる場合は、ありがたくありがたくお受けいたしますよ~!!

 

 

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