【ひとくちメモ】行方の判らない方への建物明渡請求

2016-03-12

賃料不払いが続き、建物明渡を請求する事案をうけたまわっています。

今回、住民票等の公的書類で、当該A住所を県外B住所へ転出した旨の記載はあるのですが、どうやらB住所への転入届をしておらず、書類等が送達できない状況です。

このような状況下で、建物明渡請求の訴訟をした場合、訴状を相手に届けなければならないところ、住所地はもちろん、就業場所も不明だったりすることがあります。

この場合、公示送達の方法で、裁判を続行してくれることがあります。

公示送達とは、裁判所の掲示板に、訴えがあったことを貼ることで、相手に訴状が送達されたことにしてくれるという制度です。

公示送達の方法でOKと裁判所が言ってくれるまで、それなりの手間はかかりますが、公示送達でOKと言ってくれるのであれば、実は原告側からすればホッとしていいことなのです。

実は、あまりこのことについて触れている書籍はなく、インターネット上では公示送達のことだけが記載されているのがほとんどですが、

裁判所は、被告に訴状が到達しなかった場合、公示送達ではなく、「一度訴状は取り下げて、不在者財産管理人を選任してからにしてください」ということにすることがあります。

不在者財産管理人とは、家裁が、行方不明者の代わりになる人を選んで、その人に法律行為をさせるというものでして、選ぶこと自体はいいのですが、ここに費用(申立費用、財産管理人報酬)がかかりますし、申立て期間も1.5~3か月くらいかかることがあります。

建物明渡請求は、本当に時間も費用もかかりますが、どうせなら、次の賃借人を見つけて賃料収入を得たほうが合理的なので、できるだけ早く対処をしていくことがよいのではないかと考えます。

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