【ひとくちメモ】囲繞地通行権についてのご相談

2016-02-27

広大な山林の一部を売却される方から、売却後の残地が、いわゆる袋地になってしまうことについてご相談がありました。

民法210条には、「1.他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。2.池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。」とあります。

これが、囲繞地(いにょうち)通行権という、袋地に付着した権利です。

このような状態であれば、法律上、囲繞地所有者との合意がなくても、通ることができる権利ですから、強力な権利と言えると思います。

また、囲繞地通行権は、先に述べましたように袋地についている権利なので、囲繞地所有者が変わっても、権利行使は可能です。

以上のように、囲繞地通行権は合意を必要としない権利ですが、囲繞地に対しては強力な権利なので、判断基準のあいまいな部分が多くなってしまうので、後日の紛争を解決するために、範囲や償金(通行料)をどうするかについては、事前に合意をしておいたほうがいいと思います。

また、それら条件については、合意が整わない場合は判例等を参考にしたり、場合によっては訴訟等の方法で解決することもあるかもしれません。

囲繞地は登記(公示)を必要ともしません。つまり、囲繞地の譲受人において条件が不明確となり、第三者に対してもそのことの主張が難しくなります。今回は、「これをすれば100%解決」といったものがあるわけではありませんので、とりあえずは現在の囲繞地所有者様と協議をし、かつ、将来発生すべきいくつかのリスクも想定しておかねばならないということでしょうか。

Copyright(c) 2018 司法書士 今宿・周船寺法務事務所 All Rights Reserved.