【ひとくちメモ】相続財産の国庫帰属について

2016-02-22

私が相続財産管理人に就任している事件で、いよいよ最後の手続きがやってまいりました。

相続人が現れず、債権者への支払等も済み、特別縁故者(相続人ではないけれど、相続財産をもらう地位にあるべき人)も出てこなかった場合、残った財産は、国庫に帰属されることになるので、その準備をするのです。

具体的には、国庫に帰属させる金銭を確定させるために、決済用口座などに預金等を移しておきます。

国庫帰属の金額を確定させるためであって、通常の口座の場合、預金利息等がついてしまうと、また再度その分だけ国庫帰属の手続きが必要となってしまうからです。

ちなみに、国庫帰属は金銭で行われることがほとんどかと思います。

民法239条2項「 所有者のない不動産は、国庫に帰属する。」とありますので、一見、相続人のいない不動産はそのまま国庫に帰属させることができ、実際、財務省ホームページで公開されている「財政金融統計月報」の平成25年度版(最新年度)から、国有財産の概要に関するデータを見ると、「第6  財務省所管一般会計所属普通財産の現状」というテーマのなかに、普通財産の増減が生じる事象として、“…例えば,「対外的異動」で普通財産が増加する場合として,相続税法の規定により金銭に代えて財産が物納されたとき,相続人不存在財産が民法の規定により国庫に帰属したとき,特殊法人等に対する出資により出資による権利又は出資証券等を取得したとき等が…”とあり、実際に不動産の状態のままで国庫に帰属させることは可能なようですが、

相続財産管理人は、家庭裁判所の監督を受けて事務を行うにあたり、家庭裁判所から不動産については換価してほしいという促しをいただくので、通常はその促しに従い処理をすることになります。

実際、私がお受けした事案のなかにも、何件かは不動産が最後まで処理できず残ったものはありましたが、なんとか算段をつけて売却し、金銭として国庫に帰属させていますので、不動産そのものを国庫に帰属させたことはありません。

不動産として帰属してもらえれば楽そうでいいなと思いますが、やはり市場の取引によるほうが税金を無駄に使わずいいことなのだと思うので、これからもできるだけ換価の方策によって行うようにしたいと思います。

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