【ひとくちメモ】相続放棄と被相続人の債務弁済について

2016-01-14

家庭裁判所に相続放棄の申述をし、それが受理された場合、当該相続人は、被相続人との関係においては「相続人でもなんでもない人」ということになります。

しかし、相続財産を処分(売買、贈与のほか、財産を捨てたり傷つけたりすること)したりするような行為をした後は、相続放棄が認められません。

今回、相続放棄後、被相続人が有していた債務を弁済したというケースがありました。

結論を言いますと、相続放棄後、相続債務を自己の負担でお支払になったということであれば、それは、相続放棄によって債務がないのに支払ってしまったということになるので、非債弁済(ひさいべんさい)ということになり、相続放棄の効果自体がなくなるわけではなく、あとは、支払ったお金を取り戻せるかどうかという判断を検討することになります。

ちなみに、相続放棄前に、相続債務を自己の負担で支払ったのであれば、これは、相続財産を減少させているわけではないので、相続放棄を認めない要件である、相続財産の処分にはあたらないという判例(固有財産として受け取った死亡保険金から相続細霧を支払った事案の高裁判決)があります。

では、相続放棄前に、相続債務を相続財産から支払った場合ですが、これは、相続財産を単純に処分するような行為に当たらないように見えますが、支払をすることにより、債務を承認したようなことになり、例えば消滅時効の援用などができなくなるなどということもあるかもしれません。

相続放棄をする、またはした場合は、相続債務の支払いについては、結果しなくてもよい支払をするということになる可能性や相続放棄の受理の可否もありますので、慎重になられたほうがよいようです。

 

 

 

 

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