【ひとくちメモ】遺言執行者を決めるだけでは足りないことがある。

2015-11-05

遺言の内容で、遺言執行者を定めておいて、不動産を売却した代金を特定の相続人または受遺者に取得させるというものがあります。

しかし、相続人のなかに、外国籍の方がおられる場合は、たとえ遺言執行者を定めていても、注意が必要です。

遺言執行者は、相続人に代わって不動産を売却することができますし、この場合の不動産の売買登記も、遺言執行者と買受人様の双方が申請人となれば可能であって、相続人の協力は不要となります。

しかし、前記売買登記をなす前に、前提登記として、亡くなられた方の名義から、生きている方(すなわち相続人の名義)に変えないといけないという事実がありまして、ここがキモです。

この前提登記は、遺言執行者が申請人となってすることができるのですが、添付書類として、「相続関係が判る戸籍」や、相続人の住所が判る住民票など」を用意しなくてはなりません。

すべてが日本国籍の方であれば、これらの書類は役場で取得することが可能ですが、外国籍の方の場合は、それに代わる書類を用意しなければなりません。

例えばアメリカですと、「宣誓供述書」なるものがこれにあたります。宣誓供述書とは、当人様がアメリカの公証役場のようなところに出向き、公証人の面前で述べたことを公証人が証明してくれるというもので、つまり、外国籍の方の協力なしには取得しえない書類です。

外国籍の方と連絡が取れるのであれば、それはそれで何とかなるかもしれませんが、その方が相続を受けない方であったりすると、積極的に協力いただくことが難しいということがあります。

また、外国籍の方と一面識もない(2世3世)というケースもあります。この場合、どこにおられるかを探すだけでもかなり難しいですし、日本語も通じないことが多いので、相続手続きは、遺言があったとしても困難を極めると思われます。

外国籍の方の迷惑にならないように遺言をするつもりだったのが、結局、外国籍の方のお手をわずらわせることになってしまわないように、先日から何度もシミュレートしては公証人さんと打ち合わせをしています。

さらに、数次遺言となったりしておりますと、受遺者なども入ってきますので、さらにさらに細心の注意が必要です。さらにさらに…

 

 

Copyright(c) 2018 司法書士 今宿・周船寺法務事務所 All Rights Reserved.