【ひとくちメモ】遺産分割協議書に書くべき被相続人に関する事項

2015-09-16

税理士さんが作成された遺産分割協議書のお持ち込みによる、相続登記を承りました。

ところで、税理士さんが関与する遺産分割の場合、ほとんど、相続税の申告等がからんでくるものでして、

申告に必要な書類として、遺産分割協議書の作成もなさっておられるわけですが、

税務申告→税務署、相続登記申請→法務局、というお役所の違いによって、遺産分割協議の内容に求めるものもじゃっかん異なってきますので、税理士さんが作られる協議書というのが、今回、登記でも通るかどうかというのを、お預かりする段階でよく拝見させていただくことになります。

税務では問題ないのでしょうが、登記でとく「ああっこれでは通らん」となってしまうのが、対象不動産の記載内容です。

登記というのは、登記原因を証する書面には、登記申請に必要な事項がもれなく記載されていることを必要とするため、不動産の表示内容は、「登記簿どおり」でないと登記してくれません。

しかし、たぶん申告ではそこは重視されないとみえ、よくあるのが「地目」の違い(現況と登記簿地目が違う場合に、現況記載されている)とか、建物について、床面積がはしょられていたりとか、そういうことがあります。

それから、今回お預かりした協議書には、被相続人甲山一郎(仮名)とありますが、本籍地や、死亡年月日の記載がありませんでした。

これが一体何を意味するかといいますと…

法務局に相続登記の申請をするときは、遺産分割協議書とともに、お亡くなりになられた方の戸籍等を添付します。

法務局は、結局、申請された情報だけを頼りに、新たな所有者の氏名を登記するという、よく考えると勇気あるシステムによって運用されています。

そうすると、遺産分割協議書に「甲山一郎」とは書いてありますが、その甲山一郎さんと、添付されている甲山一郎さんは、ただの同姓同名ではないのか?という懸念もないわけではないのです。

つまり、遺産分割協議書記載の甲山一郎さんと、戸籍の甲山一郎さんが同一人物であることを証するために、協議書にもせめて被相続人の本籍地と死亡年月日を記載すべしという取扱いです。

税理士さん作成の協議書にはそれらの記載がないことがあります。しかし、それは間違っているとかいうのではありません。

もともと「協議書」自体は私文書ですから、何をどう書いても構わないのですが、こと登記という世界においては、不動産という大事な権利の承継が間違った人にいかないよう、その部分に非常なウエイトを置いて審査すべきだから、そのような取扱いになっているのだと思います。

 

 

 

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