【ひとくちメモ】事業用定期借地権の登記

2015-07-12

事業用定期借地権を締結している関係で、地主から土地の管理をまかされてある不動産屋さんから、登記をしなければならないかとの相談を受けました。

今回、実際の登記をするのは東京の司法書士さんなのですが(´д`ι)、私も勉強です!

現在、事業用定期借地権には、2パターンありまして、1つは、「存続期間を30年以上50年未満」とするもの、もう1つは「存続期間を10年以上30年未満」とするものの2つです。

前者は、契約によって、契約の更新、建物の築造による存続期間の延長、建物買取り請求をしないこととすることを定めることによって、一般借地権ではなく、事業用定期借地権なのだということを表すものでして、後者は、はじめから契約の更新、建物の築造による存続期間の延長、建物買取り請求等々は認められておらず、つまり、10年以上30年未満であれば、事業用定期借地権でしかない、というようなものです。

そして、どちらのパターンでも、公正証書で行わなければならないとされています。

そこで、これに関する登記が必要かという件ですが、結論からいいますと、司法書士の立場から言いますと、「登記はしておいたほうがいい。」ということになります。

しかし、「リスクの現れる確率と、高額な登記費用のバランスから言って、地主からはあえて登記する必要度が低い。(;^_^A 」ということになろうかと思います。

そもそも、登記というのは、「第三者対抗要件」のためにそなえておいたほうがいいという類のものです。

どういう意味かというと、契約自体は、当事者同士が合意で決めたことなので、当事者間では登記があろうがなかろうがあまり関係ないのですが、合意の当事者ではない第三者は、合意の内容を知ることができません。

そこで、登記がされていれば、「どのような権利が不動産についているか」を、知ることができます。

反対側から見ると、当事者も、相手に知ってもらいたい権利があれば、それを登記のなかで表現しておかないと、第三者から「それは登記してないからわかりませんよ。」と言われたときに、権利を主張できない…すなわち、第三者に対抗できないことになってしまいます。

今回の事業用定期借地権ですが、実は、これは「賃借権」という権利です。

賃借権は債権なので、当事者同士が合意で決めておけば、それを逸脱した場合に、債務不履行をもとに契約を解除し、損害が出れば損害賠償を請求できます。

また、賃借権は、無断で譲渡転貸できないとした場合には、無断で譲受等した第三者に対しても、所有権に基づき明渡しを請求することができるのです。

したがって、第三者対抗要件としての登記は、地主側にとっては、あえてしなければならないほどのものではありません。

しかし、登記という存在は、「万が一のときのリスクを予防する」という効果があるわけですから、しておいて損はないというイメージを持っていただければと思います。

ネックなのは登録免許税率です。これは固定資産評価額の1%。1000万円の評価土地だと10万円。事業用定期借地権の場合は、土地にもそれなりの評価がありますから、例えば1億円だと印紙代100万円(驚)です。

土地に何らかの権利を公示するというのは、他の登記であればみなさんためらいなくなさいますが、借地権については、リスクの現れ度合と登録免許税の高さっぷりの費用対効果を検討して、なかなかなされないのかなあと思います。

 

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