【ひとくちメモ】遺留分減殺請求と遺言の関係

2017-06-27

遺留分」という言葉は、相続のご相談のなかでときどき出てきます。

遺留分制度とは、民法という法律で定められた制度で、ざっくり言いますと「兄弟姉妹(おいめい含む)以外の相続人に、法定相続分の一部を受け取ることを認める」制度です。

遺留分制度は、被相続人に「遺言する自由」&「生前贈与の自由」を認めることに対する、「相続人の相続分を保護」するものとして考えられています。

被相続人は、結果的には、遺留分以外の部分しか、遺言によって処分できないという考え方が基本なのです。

こう考えると、遺言や生前贈与の効力はハカナイものだとも思えますが、いちがいにそうだとは言えません。

この「遺留分」を請求するかどうかは、当事者(遺留分権者又はその承継人)が自由に決めることができるので、遺留分があったとしても、あえて何もおっしゃらないというケースもあります。

また、遺留分を請求する期間も定められています。基本的には「相続開始&自分が有している遺留分が侵害されていると知ったときから1年です。

相続のケースごとに、それがなされるかどうかが異なってくると感じています。

ちなみに、遺留分を行使したい(これを「遺留分減殺請求」と言います)ときは、相手(自分の遺留分を侵害している他の相続人や受遺者等)に対し、減殺したい旨の「意思表示」を行うことで、今後、相手とその額なり財産なりを協議していくことになります。

この意思表示は、実際には、言った言わないを防ぐため、書面(内容証明郵便+配達証明付)で行うことが一般的です。もちろん「裁判」を起こしてもよいのですが、家庭に関する紛争では裁判の前に調停をすべきという「調停前置主義」が採られており、調停の申立てをしただけでは、通知ができたと言えないので、やはり個別に通知はすべきでしょう。

ただ、遺留分減殺請求を行っただけでは、自分に遺留分相当の財産がやってくるわけではありません。

協議が簡単にまとまればそれでOKです。

しかし、場合によっては、次のことが争点になります。

①そもそも、遺留分の算定の基礎となる財産の総額はどれで、いくらなのか。

②遺留分を請求してきた人の、実際の遺留分の侵害額はいくらなのか。

③①②が合意できたとして、最終的にどの財産を分けるのか。

特に、①と②は、もし、争い(裁判等)になった場合は、価額算定や、過去の生前贈与や特別受益の事実などを明らかにする必要がありますので、道のりが険しくなる可能性があります。

遺言を作成されるお客様へは、遺留分が発生する可能性を検討していただいて、それに即した財産分配とする遺言内容をお考えになられたり、遺言にお手紙(付言事項など)を付けることで、遺留分権者となる可能性のある方への配慮をされたりするケースがあります。

 

 

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