【ひとくちメモ】成年後見申立てをしたい、というご相談

2016-05-19

親御さんの成年後見の申立ての手続きをしてほしい、というご相談がありました。

詳しくお伺いすると、現在、お母様の判断能力の低下しており、預金口座の引き落とし手続き等ができないことから、お母様の施設費等をお父様の年金から支払っており、今後はお母様の口座から引き落としをしたいと銀行に言うと、後見制度を薦められたということでした。

ところで、成年後見制度というのは、判断能力が低下されている方について、その方に代わって、財産管理や身上監護(施設入所や各種介護サービス等の契約の代理)をするという人を決めるしくみです。

ですから、今回のご相談のように、判断能力の低下した方の預金口座について、その方に代わって管理支出をしていくことは、成年後見制度の趣旨に対し、正当な利用方法です。

よって、今回、私は、「そうですね、ぜひやりましょう!やるべきです。」と申し上げたかというと、そう簡単には言えません。

成年後見制度は、もちろん前記のような使い方をするのですが、大事なポイントがあります。

それは、成年後見制度は、相当厳格な制度である、ということです。

なぜなら、判断能力の低下した方の財産や身体を守るための制度なので、それは自分のものを守るよりも厳しいしくみにしないと、制度趣旨が損なわれてしまうからです。

例えば、成年後見制度を利用を始めると、財産管理をしている後見人は、出納帳など金銭の出入りがわかるものを作成し、一年に1回は家庭裁判所に報告をすることになります。

それから、その方の財産は、原則、その方のためにしか使えません。あたりまえのようですが、これまで家族の一員として当然のように負担していた各種の生活費や交際費等も、一定の範囲に限定されます。

そしてその管理は、その方が亡くなられるまで一生、続きます。

こう書くと、成年後見制度なんて使うもんじゃないと思われる方もおられると思います。

しかし、絶対に使った方がいい場合、使わざるを得ない場合は、どうしてもあります。

そういうなかで、今回ご相談のあった方のご両親の生活にかかる費用について、ご夫婦間でどちらかが出すということでも、それは片方の方のお財布にはお金が貯まっているということなので、原則的には、特に不利益ということはありませんよね。

これが、例えばお父様の預貯金が年金でまかなえず、お母様の年金等を使わなければ成り立たないという場合は、やはり「使わざるを得ない場合」に該当するのかな、と思いますし、

ご両親の子どもさんに、例えば前の結婚時のお子さんがいらっしゃったりといった、相続関係で影響がある場合などは、「使った方がいい場合」に該当するかもしれません。

このあたりの判断は、もちろんご本人がたに決めていただくことですので、私が結論まで申し上げることは決してありませんが、それぞれのご家庭の事情を聞かせていただきながら、本当に必要な手続きかどうかを選べる情報を、お客様に伝えていければよいなと考えています。

 

 

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