【ひとくちメモ】遺贈の場合における遺言者の登記簿上の住所

2018-05-15

「相続人ではない方へ遺産をお譲りになる」という遺言について登記を申請する場合、遺言者の登記簿上の住所が、お亡くなりになった時点の住所と異なっているケースです。

相続人へ相続させるという内容であれば、そのこと…登記簿上の住所と死亡時の住所のつながりが判る住民票などを添付することによって、所有権を移転する登記の申請可能なのです。

しかし、相続人以外の方への遺贈(いぞう、と読みます)の場合は、「イ.相続人全員から」又は「ロ.遺言執行者がいるときは遺言執行者から」あるいは「受遺者(遺贈を受け取る人)から」の申請により、所有権移転登記に先立ち、住所変更登記も申請しなければなりません。

これは、遺贈は、相続のように、遺言者の一方的な意思表示により効力が生じるものの、遺言の形式をとった贈与というべきもので、贈与の仲間であるとされています。

したがって、登記についても、登記申請の原則どおり、贈与(遺贈)する側と受諾(受遺)する側の共同申請によって行う必要があり、また、遺贈する人の登記簿上の住所と現住所が異なる場合は、これも原則どおり住所変更登記を行ってからでないとダメというルールが適用されます。

しかし、遺贈というのは、遺言者が亡くなって初めて効力を生じるものですから、遺言者は住所変更登記をすることができません。

したがって、住所変更登記義務を承継する相続人全員か、遺言の内容を実現すべき遺言執行者が住所変更登記を行わなければならないのです。

なお、受遺者もこの住所変更登記をすることができます。これは、受遺者が遺言者(の相続人全員)に対して有している「遺贈に基づく所有権移転登記請求権」という債権に基づき行うことができるもので、これを「債権者代位」と言っています。

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